高血圧

新しいガイドラインでは、高血圧と診断されてから目標の値へ下げるまでの
期間についても決められています。もちろんすべての方をその枠に当てはめ
ることは出来ませんが、特別な理由や医学的な根拠がなければ、新しいガイ
ドラインを血圧のコントロールの指標にすることが望ましいと考えられます。
 仮面高血圧と白衣高血圧
 また、最近では朝に血圧が上昇する早朝高血圧、自宅高血圧にも着目され
るようになっています(仮面高血圧症)。診察を受ける時間が服薬後数時間
と最も効果が安定している時間となり、診察時は血圧が良好なのに、ご自宅
で朝の服薬前に血圧が上昇しているということが起こってきます。現在は
1日1回の降圧剤が主流となっていますがこのようねケースでは、より作用
時間の長い薬が必要だったり、朝・夕の服薬が必要になるケースもあります。
 受診時のみの血圧測定ではこのような自宅での血圧上昇はわかりません。
より良いコントロールのためには患者さんの協力も必要です。より多くの
データ・医師とのコミュニケーション・病気への知識と関心がより良い血圧
コントロールと将来の合併症低減に役立つものと考えられます。

 仮面高血圧とは逆に自宅での血圧は高くないのに、病院や検診の時だけ
血圧が上昇する方がおられます。白衣のスタッフの前で緊張したり、病院
嫌いだったりで一時的に高血圧になりますが、リラックスした状態で測定
すると血圧が良好となる方です。
 普段血圧が高くないことが確認できれば、治療の必要は有りません。
    
 高血圧では治療が本当に必要かどうかの決定は重要です。たった一度の
血圧測定で高血圧を診断し、処方されることは普通は有りません。
 (非常に血圧が高く他の合併症の危険が有るときは一時的に血圧を下げ
  る薬が必要となることも有りますが)
 また血圧の治療は服薬だけとは限りません。運動療法や食事療法、ダイ
エットなどでも治療効果が得られることも少なくありません。
一般的な症状や経過を中心に説明を行っております。 病気については個人差が大きいため自己判断でなく、医師の指導を受けて下さい。